魔法のハーブ亭 (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
美しい肢体をさらし、一糸まとわぬ姿で彼女は近づいてきた。ジェイコブはわれを忘れて彼女を抱きしめ、激しく求めた。「記念にこれを持っていて」彼女はネックレスを差し出した。“H”の字を崩したような奇妙な形の銀の飾りが揺れている。ジェイコブはそこではっと目を覚ました。なんて生々しい夢だ…。敏腕弁護士として名声を得た彼は、仕事に行きづまりを感じて旅に出、ここマーブルヘッドにたどり着いた。魔女狩りで有名なセイラムの隣、古くから魔女に縁のある町だ。偶然泊まった宿〈魔法のハーブ亭〉もしかり。ハーブやお守り、まじないに関する品物を階下で売っているし、宿の女主人デジレも町の人からうさん臭い目で見られている。翌朝、寝覚めの悪い頭でキッチンに行ったジェイコブは、かがんだデジレの胸もとを見て体を凍りつかせた。夢の中で見たあのネックレスが揺れているではないか。
夢の彼方に (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
「きみはぼくの妻でエリザベスという名前なんだ」謎の連続殺人事件の犯人に襲われて頭に負傷し、記憶を失ってしまったベスの前に現れた男サムが言った。3カ月前に事件をマスコミが大きく報道して以来、この男が初めて彼女の身寄りとして名乗り出てきたのだ。いまさら夫だと言われてもにわかには信じられなかったが、ベスは病院から連れ出されるまま、ワイオミング州にあるサムの牧場に行くことにした。だが、世間から離れて一緒に暮らしているうちにベスの胸には言い知れぬ疑問が湧いてくる。織物デザイナーだったにしてはベスは織物に興味がないし、だいいち夫であるはずのサムはベスに触れようともしないのだ。“わたしはほんとうにエリザベスなのだろうか?”
魂が帰る場所―シェルター・バリー物語〈3〉 (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
恋人ザックと出席した友人のパーティーで、ランディは親友バーバラの姿を見つけた。バーバラには女性の連れがいて、なぜかランディと顔を合わせようともしない。不思議に思ったランディがザックを促して近づいたとき、彼女は異変に気づいた。ザックの表情がひどくこわばっている。ザックには離婚歴があり、原因は彼の妻にあったとは聞いていた。妻は同性愛者で、それは自分に男性として魅力がなかったせい…。そんな思いがずっと彼を苦しめていたようだ。この人がザックの別れた妻、そして妻の相手の女性というのは、バーバラだったの!やがて、この事実が二人の関係に微妙な影を落としはじめた。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
クイン,タラ・T.
アメリカではベストセラーリストにその名が載る人気作家。日本でも近年人気が急上昇している。オハイオ州の生まれで、七歳のころから物語を書き出したという。十六歳からは地方紙に書き始め、大学卒業後、高校教師をつとめながら雑誌にも寄稿。プロデビューは1993年スーパーロマンスから。このデビュー作がRITA賞最終候補に残り、一躍シリーズのトップ作家の一人となった。三部作のあと単行本も執筆している。現在、夫、十代の娘とアリゾナ州に在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
夜よ、静かに (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
「ご主人は自殺されたのです、奥さん」警官はシェリーに言った。うそよ、わたしたちはあんなに愛しあっていたのに。今日だって夫はわざわざ会社に電話してきて“愛しているよ”とささやいたばかりではないか。その夫がわたしを残して自殺するなんて―夫に自殺された妻―毎日ともに生活しながら人知れず苦しんでいた夫に気づかなかった妻は、この先どう生きていけばいいのか?ある日夫の親友でエリックと名乗る男から電話があった。夫に親友がいた話などシェリーは聞いたこともない。彼女は会いたいという男を無視して傷心を癒すために旅立つ。ところが、旅先にまで彼から電話がかかってきた…。
夢追い人 (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
人気メロドラマの主演女優シャノンは久しぶりに帰郷した。夢を見失った故郷の高校生を物心両面から援助しようという、自ら企画したプロジェクトを推し進めるためだ。彼女は資金繰りのために銀行を訪れる。資金援助は断られたものの、頭取のピーターはほかの出資者を探してみようと約束してくれた。“それにしても、この人はどうしてこんなに悲しそうなのかしら?”それからまもなく、出資者が見つかったという朗報を携え、ひとり息子と一緒にピーターがシャノンの家を訪れた。「ぼくの妻は八カ月前に死んだんだ」苦しげにそう語るピーターに、彼女はしだいに惹かれていく。
愛のカルテ (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
「ぼくが弟さんを死に追いやってと考えているんだね?」落ち着いた口調でたずねる海軍の精神科医デイビッドを見返してクリスは思わずつばをのんだ。“そうよ、あなたが弟を殺したのよ”半年前、潜水艦の乗組員だったクリスの弟が自殺した。精神的に潜水艦勤務には向いていないのに、弟の適性テストを担当した彼が勤続続行の許可を与えたのだ。クリスはデイビッドを告発しようと思った。だが、彼は彼女が想像していたような冷酷な軍医ではなく、海の似合う、美しい目をした男性だった。しかも彼は弟と親しかったはずなのに覚えてさえいないと言う。ふたりで調査を進めるうちにクリスの気持は揺らいでいった。
ふたたび春が (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
“グランドランド・J・オコンナー牧師”エリザベスは車を降りて十字架のついて掲示版の文字を3回読んだ。これがほんとうに5年前に自分を捨てた夫グラントなのだろうか。彼女がニューヨークから千キロの道程をやってきたのは、やっと見つかった夫を連れ戻すためではなく正式に離婚するためだ。だが現れたグラントを見てエリザベスはびっくりした。かつて冷酷な企業乗っ取り屋と恐れられていたビジネスマンがラフな格好をしたとても感じのいい男性に変身している。“いいえ、ここでだまされてはいけないわ。生きる手段は変えられても人生観は簡単に変えられるものじゃない”夫が去っていったときの言いしれぬ苦しみがよみがえってきた。“でも、どうして黙って出ていってしまったの?”離婚を決心してやってきたエリザベスの心は揺れた…。
彼女の秘密 (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
ジェイミーは四歳になる娘を世界中のなによりも愛している。娘を育てて二人が暮らす穏やかな日常は、ジェイミーが生まれて初めて手にした幸せだった。カイル・ラドクリフと再会することさえなかったら、娘との真新しい日々の幸せが、ずっと続くはずだった。ところが残酷な運命は、ジェイミーの人生に彼を再び登場させた。一夜かぎりの激情の夜をともにしたカイル。彼は、自分に四歳になる娘がいるなどとは知る由もない。だが父と娘は会ったときから不思議な絆で結ばれているようだ。ジェイミーは娘のために、カイルが父親だと明かす決心をした。しかし告白は、それだけではすまない。事実を告げるためには、彼女が心に抱えて生きてきたおぞましい過去の秘密を、すべて明るみに出す以外、方法がないのだ。
海鳥の歌 (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
結婚に失敗し、歌手としての自信をなくして6年ぶりで故郷のフロリダに帰ってきたクレアは、砂浜でひとりの男と出会った。「わたし、砂のお城をつくる名人よ」「ぼくはディラン。浜辺と太陽の熱愛者です」ふたりは一緒に砂の城をつくって夢のようなすばらしい一日を過ごした。行きずりの男とのすてきな一日の思い出は、いつか失意のクレアの心を慰め、これから新しい人生がはじまりそうな予感となった。そしてある晩、二度と歌うことはないと思っていた歌を兄のバンドに頼まれてディナー・クルーザーの船上で歌った。クレアの前に、ふたたびディランが現れた。
折れた翼を抱きしめて (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
コーン・ランドルフは耳を疑った。自分に六カ月になる息子がいて、母親に棄てられ、養子に出されるところだという。社会奉仕事業所の女性が書類にサインを求めてきて、初めて知った。仕事上の酷な記憶をアルコールで消し去ろうとして朦朧となったとき、まったく見知らぬ女性と一夜を共にしたことがあったが…。その後、DNA鑑定でも彼の子供であることがはっきりした。息子を棄てることは絶対できない。コーンは自ら孤児として養子先を転々として育ち、息子に同じ思いは断じてさせられないのだ。どんなことをしても息子の引き取りを裁判所に認めさせなくては。FBI特別捜査官である彼の生活には危険がつきまとう。妻でもいれば、事情がまったく変わってくるらしい。コーンの幼なじみロビーはこの話を聞き、早速結婚しようと申し出た。彼と彼の息子を救うには、偽装でも結婚するのがいちばんいい。だが、ロビーの本心とつらい思いを、コーンはまったく知らなかった。
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