誘惑の朝 (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
ジョイはフェリーに乗っていた。セントローレンス川の川幅は広い。対岸から突き出た崖に建つシャトー・フロントナックの堂々たる威容を眺めながら、彼女の心は複雑だった―“うまく乗せられてしまった”外交官、いやスパイと言ったほうがよいかもしれない―ジェームス・ダンカン・マケースネスがあのシャトーの一室で、ジョイの到着を待っているはずだ。ジョイはニューヨークの出版社のエディターだが、マケースネスの生命を危険から救うために彼の回顧録執筆を手伝うことになった。彼が持つ情報を公表すれば、命を狙う者はいなくなる。だがジョイは人を見下したマケースネスの態度に腹を立てていた。“こんな仕事を引き受けるなんて…まだ断れる”
魔法のハーブ亭 (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
美しい肢体をさらし、一糸まとわぬ姿で彼女は近づいてきた。ジェイコブはわれを忘れて彼女を抱きしめ、激しく求めた。「記念にこれを持っていて」彼女はネックレスを差し出した。“H”の字を崩したような奇妙な形の銀の飾りが揺れている。ジェイコブはそこではっと目を覚ました。なんて生々しい夢だ…。敏腕弁護士として名声を得た彼は、仕事に行きづまりを感じて旅に出、ここマーブルヘッドにたどり着いた。魔女狩りで有名なセイラムの隣、古くから魔女に縁のある町だ。偶然泊まった宿〈魔法のハーブ亭〉もしかり。ハーブやお守り、まじないに関する品物を階下で売っているし、宿の女主人デジレも町の人からうさん臭い目で見られている。翌朝、寝覚めの悪い頭でキッチンに行ったジェイコブは、かがんだデジレの胸もとを見て体を凍りつかせた。夢の中で見たあのネックレスが揺れているではないか。
天使の顔をもつ女 (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
「すみません、よそ見をしてしまって」伯父が経営する銀行の定例祝賀会にもぐりこんだスティーブは、わざとぶつかって相手の注意を引いた。最近昇進したばかりだという幹部候補生のマーマだ。“こんなうら若い女性が本当に伯父の愛人なんだろうか?”彼は伯父からマーマに遺産の一部を贈ると打ち明けられていた。霊媒に関する告発記事で賞をとったジャーナリスト、スティーブは、記者特有の本能で疑念を抱いた。たとえ愛人関係ではないにせよ、なにか裏があるはずだ。しかしそんな疑惑とは裏腹に、彼はマーマに惹かれてしまう。その翌日、伯父の孫が誘拐される事件が起こり、なんと伯父はマーマの超能力に助けを求めた。“あのマーマが超能力者だって!”スティーブはますます彼女の正体がわからなくなった。
愛のジレンマ (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
「トッド、ほんとうにあなたなの?」シャノンはかすれた声でやっと尋ねた。なんと7年前海で死んだはずの夫が目の前に立っているではないか。記憶喪失になっていたというトッドの話を彼女は虚ろに聞いていた。“マットのことはどうなってしまうの?”彼女はロッシ医療研究所を開いたマットと1年前に出会い、そこの所長になって2人で研究所を軌道に乗せてきた。そして、ひと月後には愛するマットと結婚することになっているのだ。ふたりの男の板ばさみになって、シャノンの苦悩が始まった。トッドは人が変わったように金をせびってくる。それに婚姻無効の認可までには3カ月がかるという。トッドを突き放しきれない彼女に、マットがついに業を煮やした。
緑の館 (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
会計士のモニカは7年ぶりに故郷のギレスピーに戻ってきた。亡くなった大伯母の遺産を相続するためだ。それは百年前の家並みを復元しようとしているサットン街に立つ、いわくつきの“家”だった。まだ修復中で、相続人には完成させる義務があるという。彼女はその家を見てがっかりしてしまった。まるでデコレーションケーキのようにけばけばしく、悪趣味な緑色の壁ひとつ塗り替えるのにも許可がいるらしい。そのうえ売りに出すこともできないというのだ。モニカは、サットン街史跡協会の会長である若い弁護士に会うことにした。「まあ、ドルー。あなただったの」彼は家が隣同士だった幼なじみで昔から憧れていた男性だ。思いがけない再会にモニカの胸は高鳴った。
美しき逃亡者 (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
「こんにちは、ぼくはギャレット。この山荘の家主の孫です」クラーク・ケントに似た温厚そうな男性にレイシーはほっとした。“よかった。警察じゃなかったのね”レイシーが人目を忍ぶ逃亡生活を始めて半年ほどになる。夫の暴力に耐えかねて婚家を出た彼女は娘の親権も奪われ、思いあまって娘を連れ出してしまったのだ。各地を転々としてやっとここシアトルに住みついたばかりだ。今はどんな人ともかかわり合うのは怖かった。だが事情を知らない大学教授ギャレットは率直に好意を示してきた。そして数日後、初めてのデートでふたりはキスを交わしてしまう。「また会ってくれるね?」「いいえ。わたしは別れた夫を愛しています」心にもない嘘をついてしまったレイシーの胸は痛んだ。
裏切りの花婿 (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
大学生になって初めての夏、リサは婚約者を連れて故郷に帰った。大牧場を経営する父に、彼を紹介するためだ。だが、牧場にふらりと現れた石油鉱山師ミゲルに彼女はたちまち心を奪われてしまった。「世界中の石油よりもきみが欲しい!」やさしくも男らしい、信じられないほど魅力的なミゲルは、そう言ってリサを虜にした。大勢が見守るなか、ふたりは大邸宅で盛大な結婚式を挙げた。その直後、リサは大変なものを見つけてしまう。“リサと結婚すれば牧場の地所で石油井戸を掘る権利を…”父とミゲルが取り交わした契約書だった。ウエディングドレス姿のまま車に飛び乗り、リサは逃げた。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ニコルソン,ペギー
テキサスの大農場に生まれ育つ。ブラウン大学を卒業し、高校で十年間教鞭をとったのち、作家生活に入る。現在はロード・アイランドに住んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
愛の試練 (-)
内容(「BOOK」データベースより)
ハッピーエンドから十年。愛し合うアマンダとマークにとって、幸せこの上ない年月だった。だが、アマンダにはひとつだけ満たされない望みがあった。子供が授らないのだ。四十歳を過ぎたいま、もうかなわぬ夢なのかもしれない。あきらめて養子をとろうか…と考えていた矢先、思いがけない喜びが訪れた。妊振したのだ。念願の完璧な幸せをかみしめるアマンダ。が、羊水検査の結果が出た日、彼女は幸せの絶頂からつき落とされた。十年目にようやく授かった子が悲しい運命を背負っていることが明らかになったのだ。いったいどうすればいいのか、どうするべきなのか。愛し合うふたりに初めての試練のときが訪れた。
内容(「MARC」データベースより)
愛し合うアマンダとマークにひとつだけ満たされない望みは子どもが授からないことだった。ところが10年目にようやく妊娠したの喜びもつかの間、羊水検査で悲しい運命を背負った子だとわかる。愛し合うふたりに試練の時が訪れた。
約束のシャンパン (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
“ぼくが医学を棄てたんじゃない。医学がぼくを棄てたんだ”再会したジェイムの言葉にダイアナは息をのんだ。なぜ!一流中の一流といわれた外科医がどうして?あれは3年前の雪の日だった。降りしきる雪、サイレンの音、緊迫した人々の声…。気がつくと、ダイアナは病院のベッドにいた。そして、心配そうにのぞきこむ医師ジェイムの顔があった。この交通事故で夫は失ったが、彼女はジェイムの腕のおかげてもとどおりの美しい顔を取り戻した。確かに目の前の彼は変わっていた。ダイアナはこのめぐり逢いをどんなによろこんだかしれないのに。“いったいあなたに何が起こったというの、ジェイム?”
永遠のシェルター (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
別れた夫サムが、十年ぶりにシェルター・バリーに戻ってきた。心に深い傷を負った七歳の娘を連れて。サムに助けを求められ、キャシーの心は複雑な思いに揺れた。ふたりが別れたのは、彼が女性問題を起こし町を出ていったからだ。しかしキャシーには、なぜサムがそんな行動をとったのか、本当の理由がいまだに理解できない。彼を許してはいないが、マライアをほうってもおけず、キャシーはペットセラピーで彼女の治療を始めることにした。協力的なキャシーの姿に、サムは全幅の信頼を寄せる。だが、キャシーの心の裏側に、彼らふたりの胸を切り裂くような秘密が隠されていることを。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
クイン,タラ・T.
アメリカではベストセラーリストに名が載る人気作家。日本でも近年人気が急上昇している。オハイオ州の生まれで、七歳のころから物語を書き出したという。ヴァイオレット・ウィンズピアの大ファンだった。十六歳からは地方紙に書き始め、大学卒業後、高校教師をつとめながら雑誌にも寄稿。プロデビューは1993年スーパーロマンスから。このデビュー作がRITA賞最終候補に残り、一躍シリーズのトップ作家の一人となった。現在、夫、十代の娘とアリゾナ州に在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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